鈴林です。
この回が公開された時は2007年? らしいけども、ここまで裁判員制度について描いてくれたドラマってないんじゃないだろうか。
再放送か本放送かで観たことがあるけれども、プロの現場に素人が立ち入ることの危うさと覚悟の必要とかを知った…ような覚えがある。
人が人を裁くって難しい。天罰システムは無いんか?
相棒6 1話「複眼の法廷」
あなたの不正により何人もの人生が変わった
元はと言えば辰巳刑事が不正をしたことが原因なんだよな。
確か過去の相棒でも似たような事件があった。
この事件も確か、過去に摘発された拳銃を横流しした…とかそんなだった気がする。
相棒に出てくる「ノルマを必ず達成する刑事」とか「有能だと評判の刑事」というのは軒並み怪しい気がしてしまう。
本当に有能な人もいると思うけれども、人間である以上いつも完璧なんてありえないからね。
速水警官は右京さんと考えが似ている人だったのかな。
「必要悪」なんてものはない、と辰巳刑事を前にしてはっきり言えるなんて良い人だし正義感が強い人だったんだと思う。
告発する前に辰巳刑事本人に言ったということは、自首してもらうために話したってことだもんね。
あの会話の後ですぐに速水刑事を殺す決意をする辰巳刑事は…サイコパスというか…怖いでしょ。
人を殺すまでの決断が早すぎる気がする。
一度犯罪を犯すと他の犯罪へのハードルも下がってしまうということなんだろうか。
右京さんの言う通り、辰巳刑事のせいで何人もの人生が狂ってしまった。
嘘をついたことで犠牲になった人が多すぎる。
強引な取り調べによる自白
塚原は今回生存している中で最も被害を被った人だと思う。
そりゃ速水警官に恨みは抱いていたんだろうけども、塚原には人を殺す覚悟なんて無かった。
口で「殺したい」と言うだけと、実際に行動に起こすまでは大きな差があるよね。
仮出所している中でも銃の売買を行っていた、という反省の無さも悪い方向に働いてしまった。
せめてまっとうに生きていたら信じてくれる人もいただろうに。
一度悪いことをしてしまうと信用されなくなるってのは…実際にあるしなぁ。
警察が来たことで逃げようとしたのも良くないし、恨みを持っているということを周りに言っていたというのもマイナスだった。
でもだからと言って無理な取り調べをしたのが良いことだったとは思えない。
有働刑事は速水警官を慕っていたからこそ無理な取り調べをしたんだろうけども、自白を強要していたのは明らかだった。
取り調べを録画するシステムがあればまた何か違っていただろうに…。
寝ることも休むことも許されずに拘束され続けて、自白すれば楽になるのなら…言いたくもなるだろう。
裁判で証言をひっくり返すだろうな、とは思ったけれどもそれくらいに追いつめられていたということなのかな。
しかし有働刑事の「ちゃんと規律を守って取り調べしてたのに」という証言には呆れたぜ。
警察側が結託して嘘をつくと太刀打ちできないからな…。
素人が裁判に参加する裁判員制度
三雲判事、冠城さんがいる相棒20とかにも出てきてくれないだろうか…難しいかなぁ…。
この相棒6が放送されたころはまだ本格的に裁判員制度が始まっていないころだけれども、きっとタイムリーな話題だったんだろうな。
裁判員の1人が殺されたり、裁判員の1人が評議内容をマスコミに漏らしたりしてしまったテストケースになってしまった。
そして最終的に被疑者だと思っていた人物とは全く違う人物が真犯人としてあがってくる、という結末を迎える。
裁判員の赤川さんを殺してしまったのは田部井さんだった。
スクープが欲しいのはわかるけれども、だからと言って強引な取材をしていいってことにはならない。
池から落ちたことで人が死ぬと思わなかった、というのは理解できるけど助けなかった理由にはならないと思う。
あまりにも身勝手な理由だ。
右京さんが田部井さんに説教をしなかったのは、田部井さん自身が後悔していることがわかったからかもしれない。
そして赤川さん達と入れ替わった裁判員の中にいた倉品さん。
被害者遺族に寄り添った判決、とは言ったって死刑一辺倒なのは怖すぎじゃん。
そんなに人殺したい!?
本人は否定しているけれども、それでも死刑!?
口を開けば「死刑が妥当だと思います」しか言わなくて怖かったわ。
評議内容をマスコミにも漏らすし。そして漏らしたことが他の人にもバレてるし。
感情が表に出過ぎてわかりやすい人ではあったけれども、被害者に関わる人は皆…ああいう心境にはなるよね。
だからと言ってみんな「死刑にすべき」とは安易には言えないけれども。
死刑にするよりもひどい刑罰、というのもあるとは思うんだよね。そういうのを取り入れてみて欲しい気はする。
三雲判事の思惑
小野田官房長は三雲判事が企んでいた…というか画策していたことについて察しがついていたのか。
裁判員制度導入について表立って反対はしないものの、頓挫するように働きかけていた…ということかな。
右京さんと亀山さんが調べたように、田部井さんに赤川さんの行く先を教えたのはきっと三雲判事なんだろう。
証拠はないけれども。
三雲判事が赤川さんのことを教えたことで、赤川さんは死ぬこととなってしまった。
人を裁くことで悪夢を見たりする三雲判事であれば、赤川さんのことでも悪夢を見ているかとは思うけど…どうなんだろう。
確かに証拠はない。
証拠がないからこそ、右京さんたちは自白してもらって自首してもらおうと三雲判事のところに行ったんじゃないだろうか。
でも自白を取ることはできなかった。
右京さんは「必ず証拠をみつけます」とは言っていたけど…みつけられるものなのか…?
画像引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/aibou_06/contents/story/0001/
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